【サンパウロ新聞】岩手総会 後継者育成に意欲 千田会長が9期目続投

あいさつする千田会長(中央)

あいさつする千田会長(中央)

 ブラジル岩手県人会の2015年度定期総会が18日午前、サンパウロ市リベルダーデ区の同県人会館で開かれた。役員改選では新たな会長立候補者が現れず、千田曠暁会長(73)の続投が出席者により承認された。

 開始時点で19人が出席。多田マウロ副会長が議長を務めた。千田会長は「昨年は日本との交流もでき、役員会で提案のあった新事業もできるだけ取り組んできた。会員がいてこそ活動ができる。お陰で何とか一年を切り抜けることができた」と振り返った。

 2014年は、わんこそば祭りなど例年の行事のほか、母県岩手日報社へのサッカー・ワールドカップ関連の記事寄稿、同社の記事を転載した「ふるさと岩手だより」発行など新たな交流も生まれた。多田副会長による、青年を対象にした日本語会話教室も再開した。

 昨年の収支は約14万レアル。会費、母県補助金のほか、カラオケダンスが始まるなど会館賃貸も順調だった。今年は定例行事のほか、8月にパラグア イ・ピラポ移住地55周年式典への参加を予定。予算は14万レアルを計上、新規事業も行いたいとして会員からの提案を呼び掛けた。各種報告・計画案ともに承認された。

 役員改選には事前の会長立候補者がなかったが、千田会長は改めて新会長への引継ぎを要望。仕事等で会長職を 引き受けられない事情があることに理解を示しながらも、「若い人たちに受け継いでいただきたい。留学・研修OBであれば、日本語も分かり、県との関係もあ る。そういう人に入ってもらい、会を盛り上げてほしい」と希望を語った。 

 最終的に立候補者はなく、千田会長の続投が決 まった。9期目となる千田会長は、「次の会長を育てる責任があり、無責任なことはできない。今までやってきた人、新しい人と相談しながら新しい理事会を作 り、その中で色々な人が出てくるのを待ちたい。元気なうちは皆さんと支えあいながら2年間やっていきたい」と述べた。

 総会終了後は新年会に移り、出席者一同で乾杯。ミナス・ジェライス州から訪れた会員もおり、約50人で今年最初の行事を楽しんだ。 

モザイク

 岩手県人会の総会で発表された資料によれば、昨年1年間で4500人以上が同会館を訪れたという。ほぼ毎月350人以上、400人以上が訪問する月もあった。
 武道教室など1階サロンの利用者は含まずに、一日平均10人以上が訪れる「魅力」の一つが、事務所にある図書室。記者もしばらくお邪魔していないが、いつの間にか蔵書が2万2000冊になっていると聞き驚いた。
 月平均で図書を借りる人は100人ほどで、毎月500冊前後が貸し出されているとか。昨年のサッカー・ワールドカップ・ブラジル大会でも同会の「入りやすさ」は発揮され、日本から来たサポーターの訪問も多かったそうだ。

サンパウロ新聞 2015年1月23日